英語学習

後置修飾とは?4つのテクニックで表現力をつけよう!

本を選ぶ女性

みなさん「後置修飾」という言葉聞いたことありますか?
単純な英作文から卒業して、表現力を豊かにしたい方には是非しっかりマスターしてほしい技のひとつです。
この記事では「後置修飾」の方法を4つのパターンに分けてわかりやすく解説しました。

後置修飾とは?

後置修飾とは?

文字通り後ろに置いて修飾するですが、どういう修飾法なんでしょうか。

英語で「美しい花」と表現したい場合『beautiful flowers』となりますね。
つまり形容詞+名詞の語順で前から名詞を修飾しています。
これを前置修飾と言い、英語ではおなじみのパターンですね。

後置修飾とはこれとは反対に後ろから名詞を修飾します。
例えば「自宅の庭の花」を英語で表現したいときは『flowers in my garden』となり「自宅の庭の」が「花」を後ろから修飾しています。
日本語の語順のように『in my garden flowers』とはなりませんね。
英語にはこのように後ろから修飾するパターンの方が多く、英文表現をバラエティー豊かなものにしています。
どんなパターンがよく使われるかそれぞれ見ていきましょう。

後置修飾のテクニック①:名詞・代名詞+形容詞

後置修飾のテクニック①:名詞・代名詞+形容詞

名詞・代名詞の後ろに形容詞を置いて前の名詞を修飾する場合を色々見ていきましょう。

強意的な表現で用いる場合

最上級またはall、everyなどとともに用いてその意味を強める場合に形容詞を後ろに置きます。

例文:The car drove away at the highest speed possible.(参照元:ルミナス英和)
訳:車は最大限のスピードで走っていった。

例文:All rooms are fully booked and this is the only room available now.
訳:部屋は全室予約済みで、ここだけが今利用できる唯一の部屋です。

強意のために後置したものですから通常の位置で『at the highest possible speed』『the only available room』としてもOKです。

慣用的な使い方

something、anything、nothing、everythingなど〜thingで終わる語を修飾する場合は慣用的に形容詞をそれらの語の後ろに置きます。

例文:There is something wrong with this air conditioner.
訳:このエアコンはどこか調子が悪いわ。

例文:If you hear anything new from him, please let me know.
訳:もし彼から何か新しい知らせがあったら、連絡ください。

形容詞に修飾語句がついている場合

形容詞に修飾語句がついている場合は名詞・代名詞の後ろに置いて修飾します。

例文:She was carrying a bucket full of water.
訳:彼女は水で一杯のバケツを運んでいた。

例文:The house is surrounded by a fence ten meters high.
訳:その家は10メートルの高さの塀で囲まれています。

例文:This is an act worthy of attention.
訳:これは注目に値する行為です。

「関係代名詞+be動詞」の省略

もとは「関係代名詞+be動詞+形容詞」の形であったものが、「関係代名詞+be動詞」が省略されて「形容詞」だけがの残り、後置修飾になったものがあります。
この場合、後ろに置けるのは叙述用法だけの形容詞でa〜で始まるものが多いです。

例文:Don’t wake up the baby asleep. (the baby who is asleep)
訳:眠っている赤ちゃんを起こさないで!

例文:He is the happiest man alive. (the man who is alive)
訳:彼はこの世で生きている最も幸せな男だ。

例文:The people present burst into laughter. (The people who are present)
訳:出席していた人々は一斉に笑い出した。

叙述用法の形容詞とは?
asleep、awake、afraid、awareなどa〜で始まるものが多く、補語としてのみ用いられ、名詞の前に置いて修飾できないものです。

The baby is fast asleep. 「その赤ちゃんはぐっすり眠っている」 (asleepは補語)
a fast asleep baby 「ぐっすり眠っている赤ちゃん」とはなりません。
Children are afraid of the dark. 「子供は暗がりを怖がります」(afraid of~は補語)
afraid children 「怖がる子供」とはなりません

後置修飾のテクニック②:名詞・代名詞+前置詞句

後置修飾のテクニック②:名詞・代名詞+前置詞句

前置詞句で名詞・代名詞を修飾する場合は名詞・代名詞+前置詞句の語順になります。
前置詞句とは「前置詞+名詞・代名詞」のことで、on、about、with、forなどと名詞・代名詞が結合したものです。

例えば『on the desk』(机の上に)は前置詞句ですね。
「机の上の本」と表現したいときは『a book on the desk』と表現します。
『a book』+『on the desk』という語順になり、前置詞句が後ろから名詞を修飾し名詞句を作っています。
以下例を参考にしてください。

例文:I know that woman with a baby.
訳:私は赤ちゃんを連れたあの女性を知っています。

例文:The restaurant at the corner is famous.
訳:角のレストランは有名です。

例文:I saw many people in black yesterday.
訳:昨日黒い服を着た多くの人を見かけた。

例文:The day before yesterday was my father’s 60th birthday.
訳:一昨日(昨日の前の日)は父の60回目の誕生日でした。

後置修飾のテクニック③:名詞・代名詞+to不定詞

後置修飾のテクニック③:名詞・代名詞+to不定詞

to不定詞とは『to+動詞の原形』のことを言います。
不定詞の用法の1つに形容詞用法があり、『to+do~』で「~するための・~するべき」という意味で後ろから前の名詞・代名詞を修飾します。

例文:I have a large family to support.
訳:私には養うべき大家族がいます。

例文:There are many problems to discuss.
訳:議論すべき多くの問題があります。

例文:We need a house to live in.
訳:私たちは住む家が必要です。

例文:I have three dogs to take care of.
訳:私には世話をすべき犬が三匹います。

例文:The first thing to be considered is our financial situation.
訳:考慮されるべき最初の事柄は私たちの金銭状態です。

例文:He has a lot of chances to go abroad on business.
訳:彼は仕事で海外に行く機会が多いです。

後置修飾のテクニック④:名詞・代名詞+分詞句

後置修飾のテクニック④:名詞・代名詞+分詞句

分詞には現在分詞、過去分詞の2種類があります。
現在分詞は「動詞の原形+ing」、過去分詞は「動詞の原形+ed」あるいは不規則に変化する形となります。
「分詞句」とは分詞に目的語や補語、副詞句などがついたもので、名詞を修飾する場合は後ろから修飾する後置修飾の形をとります。

例文:I know that boy running in the park.
訳:私は公園で走っているあの少年を知っています。

例文:All the trains arriving at this platform are bound for Tokyo.
訳:このプラットフォームに到着する列車はすべて東京行きです。

例文:I received a letter written in French.
訳:私はフランス語で書かれた手紙を受け取りました。

例文:There were many houses broken by the storm.
訳:嵐で壊されたたくさんの家がありました。

ここで少し補足ですが、分詞句ではなく分詞が単体で名詞・代名詞を修飾するときは名詞・代名詞の前に置いて前置修飾となりますので気をつけてくださいね。

例文:I know that running boy.
訳:私はあの走っている少年を知っています。

例文:There were many broken houses after the storm.
訳:嵐の後、たくさんの壊れた家がありました。

後置装飾まとめ

後置修飾の技法はわかりましたか?
これを有効に使うと、単純な英文に後から詳しい情報を追加していけるので、英語表現をより複雑にバラエティに富んだ内容にすることができます。

ここでは取り上げませんでしたが、皆さんがよくご存知の関係代名詞(who、which、that)や関係副詞(when、where、why、how)も後置修飾です。

ここでご紹介した4つのパターンは難易度的にも比較的簡単に使いこなせるようになると思います。
会話に、英作文に是非生かしてください。