英語学習

英語の定冠詞『the』の使い方!【4つのパターンで冠詞マスター】

木がある机で勉強する女性

英語学習者泣かせの1つが「冠詞」の使い方です。
日本語の『猫』が英文中では単純に『cat』とならない点が難しいですよね。

『a/an』『the』は英文法では『冠詞』と呼ばれています。
そして『a/an』は不定冠詞、『the』は定冠詞と呼ばれ、それぞれ使い方が違います。

女性と男性がベンチで本を読んでいる
不定冠詞『a』『an』の使い方!7つのパターンを覚えればもう完璧!a/anは「不定冠詞」、theは「定冠詞」と文法言葉では呼びます。 これらはとても小さな単語ですがその使い方が多種多様で、なかなか理解するのは日本人には難しいですよね。 ここではそんな冠詞のひとつである「不定冠詞」に注目し、使い方や意味を7つのパターンに分けて解説していきます。...

この記事では定冠詞『the』の使い方を大きく4つに分けてわかりやすくまとめてみました。

4つのパターンで英語の定冠詞『the』の使い方を解説

4つのパターンで英語の定冠詞『the』の使い方を解説

英語では『a cat』のように必ず『cat』の前に『a/an』『the』といった言葉がつき『cat』だけでは使われません。
『a/an』『the』は和訳には反映されないので、どういう場合につけていいかホントにわかりにくいですよね。

そんなときに覚えてほしい4つのパターンで、あなたも冠詞をマスターしていきましょう!

「the」の使い方4パターン

  1. ①限定的な意味がある場合に『the』をつける
  2. ②「総称」「全体」を表現する場合に『the』をつける
  3. ③特殊な『the』の使い方
  4. ④その他の慣用的な『the』の使い方

英語の定冠詞の使い方①:限定的な意味がある場合に『the』をつける

英語の定冠詞の使い方①:限定的な意味がある場合に『the』をつける

どこにでもある不特定の「もの」や「人」などを指すのでなく、はっきりと限定される「もの」や「人」を指しているときに『the』を用います。
どういう場合があるか具体例を見てみましょう。

一度話題に上がった人・もの・場所を2回目以降に述べる場合

もうすでに一度言及した人・もの・場所は会話の当事者にとっては「あの〇〇ね!」と限定されたものを指していますね。
その場合に「the」を使用します。

例文:I found an old photo of my father.
The photo reminded me of the days when we would often play catch.

訳:私は父の古い写真を見つけた。
その写真を見て、昔よくキャッチボールをした日々が思い出された。

当事者間では何を指しているのか明確な場合

当事者間で共通に認識している特定のものを指すときは、初めての単語でも『the』をつけます。

例文:I took my son to the dentist yesterday.
訳:昨日息子を歯医者に連れて行った。(いつも行く歯医者)

例文:I’ll pick something up at the store on my way home.
訳:帰宅途中、お店で何か買ってくるね。(いつも行く店)

この場合『a dentist』『a store』だと特定されずに「どこかの歯医者」「どこかのお店』という不特定な意味になります。

1つしかないものを指す場合

1つしかないものを指す場合

私たちの身の回り、または歴史上で「1つしかないもの」であれば、当然限定されたものなので『the』をつけます。

the city office(市役所)、the sun(太陽)、the moon(月)、the star(星)、the sky(空)、the ocean(海)、the earth(地球)、the present(現在)、the past(過去)、the future(未来)、the Bible(聖書)、the Reiwa Era(令和時代)、the French Revolution(フランス革命)、the First World War(第一次世界大戦)、the Second World War(第二次世界大戦)

注意点として、天体としての「月」「星」「空」は1つなので『the』が付きますが、種類を表現するときは何種類かあるので、定冠詞の『the』ではなく不定冠詞の『a/an』が付きます

a full moon(満月)、a new moon(新月)、a crescent moon(三日月)、a half moon(半月)、a clear sky(澄んだ空)、a blue sky(青空)、a starry sky(星空)、a shooting [falling] star(流れ星)など

また「第一次・二次世界大戦」は別表記で『World War One (Two)』がありますが、この場合は『the』は付きません。

語・句・節によって名詞が特定のものに限定される場合

偶然駅で見つけた財布であれば『a wallet that I found at the station』でだれのものかわからない「不特定」なものを表す『a/an』がつきます。
しかし、自分がずっと探していた財布であれば『the wallet that I’ve been looking for』と『the』をつけて特定のものを指します。

他にも次のような例が挙げられます。

例文:The Mr. Tanaka in Tokyo is coming for today’s meeting, not the Mr.Tanaka in Nagoya.
訳:東京の田中さんが今日の会議にいらっしゃいます。名古屋の田中さんではなく。

例文:The milk from this farm tastes good.
訳:この農場の牛乳は美味しいです。

例文:The English spoken in India sounds different from the English spoken in America.
訳:インドで話されている英語はアメリカで話されている英語とは違って聞こえます。

例文:We are busy on the Friday before Christmas.
訳:わたしたちはクリスマス前の金曜日は忙しいです。

通常では無冠詞で用いらる名詞でも特定のものとして限定されると『the』がつきます。

形容詞・副詞の最上級を表す場合

みなさんもよくご存知のように形容詞・副詞を「最上級」で使う場合は『the』をつけます。
これは「一番~な」「一番~に」という意味で1つのものに特定されるので『the』がつくのは納得ですね。

例文:This is the most exciting movie that I have ever watched.
訳:これはわたしが今までに観た一番ワクワクする映画です。

例文:Tom runs the fastest in his class.
訳:トムはクラスで一番早く走る。

名詞の前に序数詞を用いる場合

序数詞とは、1番目の~、2番目の~、3番目の~と物事の順序・順番を表す数詞のことを指します。
序数詞の前には必ず『the』をつけます
これも「何番目の~」と対象を特定した表現ですから『the』がつきます。

例文:The first car in the world was invented by Karl Benz in 1886.
訳:世界で最初の自動車は1886年カール・ベンツによって発明された。

例文:We live on the second floor of this apartment.
訳:わたしたちはこのアパートの2階に住んでいます。

例文:December is the last month of the year.
訳:12月は1年の最後の月です。

例文:We live in the twenty-first century.
訳:わたしたちは21世紀に住んでいます。

しかし、イディオム的に使われている表現には『the』がつかないことがあります

at first hand(直接に)、at first sight(一見したところでは/一目見て)、on second thought(考え直してみると)

また「順番」を意識してではなく、「もうひとつの」「さらにもうひとつの」のように使われる場合は『the』ではなく『a/an』がついて『a second~ / a third ~』となります。

the second house 2番目の家(順番)、a second house (別荘)(=another house)、the third person 3番目の人(順番)、a third person(第三者)

英語の定冠詞の使い方②:「総称」「全体」を表現する場合に『the』をつける

英語の定冠詞の使い方②:「総称」「全体」を表現する場合に『the』をつける

特定のグループ・組織・仲間を総称して呼ぶ時や、種類全体を表現する言葉に『the』をつけます
これも組織やグループという特定の限定された範囲の「人」「もの」「属性」などを指すのでので定冠詞をつけて表現します。
どんな例があるか具体的に見てみましょう。

複数形の固有名詞につけて一家・国民全体を表現する場合

アメリカのテレビアニメシリーズ『ザ・シンプソンズ』をご存知の方多いと思いますが、英語では『The Simpsons』で「シンプソン一家」という意味です。
同じように『the Simpson family』でも「シンプソン一家」となります。

the Yamadas/the Yamada family (山田さん一家)、the Americans(アメリカ人)、the Italians(イタリア人)

日本人・イギリス人などは語尾の発音の関係上『the Japanese/the English』となり単数形で使うので注意が必要です。

群島・湖・山脈など地勢的なグループ全体を表す場合

山脈・諸島やいくつかの湖・沼などをまとめて呼ぶ場合に全体をまとめて表す『the』をつけます。

the Philippine Islands(フィリピン諸島)、the Rocky Mountains(ロッキー山脈)、the Great Lakes(五大湖)

国家や政治的組織・団体などの名称を表す場合

国家や政治的組織・団体などの名称を表す場合

~連邦やアメリカ合衆国などの一部の国名・政治的団体の名前・スポーツチーム名などにやはり全体をまとめて表す『the』をつけます。

the People’s Republic of China(中華人民共和国)、the United States of America(アメリカ合州国)、the Roman Empire(ローマ帝国)、the board of education(教育委員会)、the police(警察)、the Chicago Bulls(シカゴブルズ)

『the+形容詞・分詞』で「~の人たち」

形容詞の前に『the』をつけて、集合的に「~な人たち」を意味する複数名詞を作ります。

  • the young = young people(若者たち)
  • the rich = rich people (お金持ちの人々)
  • the unemployed = unemployed people(失業者たち)

『the +単数名詞』で同種のもの全体を指す場合

「~というものは」と同種のもの全体を表現したい場合はその単数名詞に『the』をつけて使います

例文:The dog is a faithful animal.
訳:犬は忠実な動物です。

例文:The computer is changing our society.
訳:コンピューターは私たちの社会を変えつつある。

英語の定冠詞の使い方③:『the』の特殊な使い方

英語の定冠詞の使い方③:『the』の特殊な使い方

特殊な使い方といっても難しいことではありません。
パターン①②のように限定された特定のものや組織を意味した『the』ではなく、慣用的に使われている特殊な『the』の使い方を紹介していきます。

『by the +単位』

単位を表す語に『the』をつけて「・・・単位で」でという意味を示します。
色々な場面で使われる大変便利な表現です。

例文:I rented this car by the month.
訳:わたしはこの車を月極めで借りた。

例文:We are paid by the hour.
訳:私たちは時給で支払われています。

例文:Beef is sold by the pound.
訳:牛肉は1ポンドいくらで売られています。

身体の部分とともに使う『the』

この『the』の使い方は、とてもネイティブらしい表現法だと思います。
例文を見て使い方の参考にしてくださいね。

例文:He patted me on the shoulder.
訳:彼はわたしの肩をたたいた。

上の言い方は「わたし」に重点を置いた表現です。
He patted my shoulder. と意味は同じですが、こちらは「わたしの肩」に重点を置いた言い方です。

例文:My mother pulled me by the ear.(=My mother pulled my ear.)
訳:母はわたしの耳を引っ張った。

例文:The soldier was shot in the chest.(=The soldier’s chest was shot.)
訳:その兵士は胸部を撃たれた。

英語の定冠詞の使い方④:その他の慣用的な『the』の使い方

英語の定冠詞の使い方④:その他の慣用的な『the』の使い方

ここでの『the』の使い方には決まったルールはなく、慣用的な使い方と言えます。
たくさんの例外もあり網羅しきれないので、ここでは主な例だけを挙げてみました。

楽器には『the』をつける

「〜を演奏する」という意味で楽器を表す名詞にtheをつけます。
「新しいバイオリンを買う」なんていうときは『buy a new violin』となりますね。

例文:I practice the violin/the trumpet/the piano.
訳:わたしはバイオリン/トランペット/ピアノの練習をします。

一方、学科・スポーツ・ゲームには『the』をつけません

例文:We play baseball/chess.
訳:わたしは野球 / チェスをします。

例文:I study mathematics.
訳:わたしは数学を勉強します。

「水」と関係する地勢や施設には『the』をつける

海・川・湾・橋など主に「水」と関係する地勢やものに『the』がつきます。

the Korean Peninsula(朝鮮半島)、the Sea of Japan(日本海)、the Pacific Ocean(太平洋)、the Gulf of Mexico(メキシコ湾)、the Colorado River(コロラド川)、the Panama Canal(パナマ運河)、the George Washington Bridge(ジョージワシントン・ブリッジ)

ただし「湖」には『the』がつきません
例えばLake Biwa(琵琶湖)などが該当します。

同じ湖でも「富士五湖」は複数の同種のものの総称となり『the Five Lakes of Mt. Fuji』と『the』がつきますので注意です。
また水と反対の砂漠にも『the』がつきます。
こちらは、the Sahara(サハラ砂漠)などのことです。

ほとんどの新聞名には『the』をつける

海外の新聞を見ると『The New York Times』と新聞名が書かれているので、これは新聞名という固有名詞の一部になっている『the』ですね。

The New York Times(ニューヨーク・タイムズ紙)、The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)、The Washington Post(ワシントンポスト紙)

新聞名は新聞に書かれている通り『The』と大文字で表記し、固有名詞となっています。

また逆にほとんどの「雑誌」の名前には『the』がつきません。

Newsweek(ニューズウィーク)Reader’s Digest(リーダーズダイジェスト)

英語の定冠詞の使い方まとめ

『the』の使い方を4パターンに大まかに分けてみましたが、理解できましたか?
基本的には、限定されたもの・人につく場合と、同種のものが集まった総称として表現する場合の2つに大別されると思います。

あとは特殊な使い方や慣例的な使い方で、例外も多くあり、1つずつ事例とともに覚えていくしかないようですね。
わからないときは辞書を丁寧に調べたり、ネットで検索してみて使用例数から自分の使い方が正しいかどうか判断することもオススメです。