皆さんは「未来完了形」って聞いてどんなことを伝える表現法かピンときますか?
未来完了形は、「未来のある時」を基準にして、その時までの動作や状態について述べる時に使います。
この記事では3つの使い方を例文や図式とともに徹底的に解説します。
目次
未来完了形とは?
みなさんは未来完了形をしっかりと理解していますか?
現在完了形は過去から現在を基準とした継続・経験・完了を表す表現法でしたね。
それに対し、未来完了形では過去から未来のある時点を基準とした継続・経験・完了を表し、現在完了形よりも1つ先の未来時制までの出来事を扱います。
未来完了形の肯定文の形
現在完了形が『主語+have(has)+動詞の過去分詞』であったのに対し、未来完了形はこれに未来を表す助動詞『will』が使われ以下のような形になります。
主語+will+have+動詞の過去分詞
(助動詞willの後ろは常に原形のhaveがくる)
現在完了形の形が頭にしっかり入っていれば、そんなに難しくないですね。
未来完了形の使い方・意味
未来完了形にはどんな使い方・意味があるのかを1つずつ例文とともに見ていきましょう。
状態の継続「(未来のある時点まで)ずっと~していることになるでしょう」
最初の使い方は状態の継続を表す使い方です。
まずは、例文をみてみましょう。
例文:We will have been married for 30 years next year.
訳:来年で私たちは30年間ずっと結婚していることになるでしょう。(来年で結婚30年目だね。)
例文:She will have lived in Nagoya for four years next spring.
訳:次の春で彼女は名古屋に4年住んでいることになります。
いずれも「来年で結婚生活が30年間」「次の春で名古屋在住が4年間」続いていることになるだろうと未来に向けて継続を予測しています。
図で示すとこんな感じです。
経験「(未来のある時点までに)~したことになるだろう」
2つ目の使い方は経験を表す使い方です。
例文:If I see this movie again, I will have seen it three times.
訳:もう一度この映画を観たら、3回観たことになるだろう。
注)この場合、if文は条件を表す副詞節なので、未来のことであっても『will see~』とwillをつけてはいけません。
「もう一度この映画を観たら」と未来のある時点を基準にして、それが実現した時は「3回映画を観たことになるだろう」と言う経験を予測しています。
図にするとこんな感じです。
完了・結果「(未来のある時点までには)~してしまっているだろう」
最後の使い方は、完了・結果を表す表現です。
例文:By this time next year the new shopping mall will have been completed.
訳:来年の今頃までには、新しいショッピングモールは完成してしまっているでしょう。
例文:Tom will have spent all his money before the end of his holiday.
訳:休暇が終わらないうちにトムはお金を全て使ってしまっているでしょう。(結果:お金がないでしょう)
例文:All the cherry blossoms will have fallen by the time you come to Japan.
訳:あなたが日本に来るまでには桜の花は全部散ってしまっているでしょう。(結果:桜の花は観られないでしょう)
「来年の今頃までには」とか「あなたが日本に来るまでには」と未来のある時点までに、ある動作や状態が完了してしまっていることを予測しています。
図で示すとこんな感じです。
未来完了形の「完了」とよく使われる言葉
未来完了形の「完了」でよく使われる表現は3つあります。
- by
- before
- by the time
『by』『before』は前置詞なので後ろに名詞/名詞句を伴い、それぞれ「~までには」「~より前に」と言う意味で使われます。
また『by the time』『before』は接続詞なので後ろに文章を伴います。
『by the time+S+V』や『before S+V』と言う形で使われそれぞれ「SがVする時までには」「SがVするよりも前に」と言う意味を表します。
ここでの注意点は時を表す副詞節なので未来のことでも『by the time』や『before』の節の中では未来の助動詞『will』は使わないということです。
by the time (before) you come to Japan あなたが日本に来る時までに(来る前に)
by the time (before) you will come to Japan
未来完了形の否定文・疑問文の作り方
否定文を作るには助動詞『will』の後ろに『not』を置きます。
また疑問文にするには助動詞『will』を文頭に持ってきます。
- 肯定文
- 否定文
- 疑問文
Tom will have finished his work by five.
トムは5時までには仕事を終えてしまっているでしょう。
Tom will not (won’t) have finished his work by five.
トムは5時までには仕事を終えてしまってはいないでしょう。
Will Tom have finished his work by five?
トムは5時までに仕事を終えてしまっていますか?
未来完了形を時や条件を表す副詞節の中で使う場合
「時・条件」を表す副詞節の中での未来完了形には現在完了形を用います。
例文①:Please wait until I have changed my clothes.
訳:私が着替えるまで待ってください。
例文②:I’ll go with you to the concert tonight if I have finished my work earlier.
訳:早く仕事が終わったら、今夜きみと一緒にコンサートに行くよ。
例文①:Please wait until I will have changed my clothes.
例文②:I’ll go with you to the concert tonight if I will have finished my work earlier.
「着替える」ことも「仕事を終える」ことも未来の出来事ですが、「時・条件」を表す副詞節では未来を表す助動詞『will』は使いません。
未来完了形の意味と使い方まとめ
未来完了形の意味と使い方はわかりましたか?
実際の英会話では未来完了が使われることはあまり多くないような気がします。
未来完了「will+have+動詞の過去分詞」の代わりに、普通の未来形「will+動詞の原形」が使われることの方が多いかもしれません。
ただ「~してしまっているでしょう」と「完了」のニュアンスを加えたい時は効果的な表現法だと思います。
ぜひご自身の英語にも取り入れて、英語のバリエーションを増やしてみてください。