この記事では英検2級大問2-Bの解答の導き方をわかりやすく解説していきます。
英文をスラッシュごとに区切り、訳を入れてあります。
英文を文頭から文末に向かって読みながら意味を理解するスラッシュリーディングをこの機会にぜひ皆さんに習得して欲しいと思います。
速読やリスニングにも大いに役立つトレーニングなのでオススメです。
動画で見たい方はコチラ!
目次
英検2級大問2-B:長文の語句空所補充をパラグラフ毎に解説
この大問は3つのパラグラフから構成されていて、各パラグラフにそれぞれ1問ずつ空所補充の問題があり、全部で3問出題されています。
各設問のヒントとなる部分はそのパラグラフ内に必ずあるので、大問全体の展開を追いながら、各パラグラフを読み終える毎に、そのパラグラフ内で解答探しをするのが一番効率的に正解が得られます。
ではパラグラフ1,2,3のそれぞれの解説・解答をみていきましょう。
英検2級大問2-B長文の語句空所補充:パラグラフ1
パラグラフ1では「気候変動」によって引き起こされる問題と将来の予測が書かれています。
パラグラフ2,3の展開を理解するためにも、ここでの問題点をしっかり理解して読み進めることがキーポイントとなります。
パラグラフ1の英文和訳
まずは、英文と和訳をみてみましょう。
Go with the Flow(流れに任せて)
- In recent years,/climate change has been causing sea levels to rise/in many parts of the world.//
近年/気候変動が海面の上昇を引き起こしている/世界の多くの地域で// - According to scientists,/this problem ( 24 ).
科学者たちによれば/この問題は(24)// - They say/that, by the end of this century,/sea levels are expected to rise/by about a meter worldwide.//
彼らによれば/今世紀の末までには/海面の高さが上昇すると予想されます/世界中で約1メートル分// - Consequently,/major cities like London and New York/could end up covered in water/due to flooding.
その結果/ロンドンやニューヨークのような主な都市は/最後には水で覆われた状態になるかもしれません/洪水のせいで// - In fact,/in some cities,/flooding is already occurring.//
実際/いくつかの都市で/すでに洪水が起きています//
パラグラフ1の重要単語・熟語の説明
パラグラフ1の中で使用された重要単語と熟語の解説を見てみましょう。
recent:最近の
climate change:気候変動
cause A to do〜:Aが~することを引き起こす
sea levels:海水位
consequently:その結果
end up〜:最後には~になる
due to〜:~のせいで
flooding:洪水
occur:起きる、生じる
パラグラフ1の設問と解答・解説
設問では文意にそって(24)に入れるのに最も適したものを次の1,2,3,4の中から一つ選ぶように要求されています。
1.is going to get worse(さらに悪化するだろう)
2.should be solved by experts(専門家によって解決されるはずだ)
3.has already occurred in the past(もうすでに過去に生じていた)
4.can be caused by modern technology(現代技術によって引き起こされるかもしれない)
第②③文に「科学者たちによれば、この問題は(24)。彼らによれば、今世紀の末までには、世界中で約1メートル海面の高さが上昇すると予想されます。」とあります。
したがって「この問題」は将来、さらに悪化すると予想されているので、(24)には1(さらに悪化するだろう)が補充する語句として適切です。
英検2級大問2-B長文の語句空所補充:パラグラフ2
パラグラフ2ではパラグラフ1で述べられている「悪化が予想される海面上昇」への対応策とその問題点が指摘されています。
それらに注目しながら読み進めていきましょう。
パラグラフ2の英文和訳
まずはパラグラフ2の英文と和訳をみていきましょう。
- In response to this,/city planners and engineers have begun efforts to build barriers,/such as dams and large concrete sea walls,/to protect cities from water.//
これに対応して/都市設計家や技術者たちは防壁を造る努力を開始しました/たとえばダムや大きなコンクリート製の海の壁のようなものを/都市を水から守るために// - This has helped a little.//
こういったことは少しは役に立ちました// - Unfortunately,/though,/these kinds of barriers may not ( 25 ).//
残念なことに/しかしながら/この種の防壁は(25)でないかもしれません// - This is because/scientists believe/that powerful storms are likely to increase/
due to climate change.//
この理由は/科学者たちは信じているからです/強大な暴風雨が増えそうだと/気候変動のせいで// - The high waves produced by such storms/could easily reach over the barriers,/
spilling water into cities that barriers currently protect.//
そのような暴風雨によって引き起こされた高い波は/防壁を簡単に乗り越えてしまうでしょう/
そして防壁が現在保護している都市に水が流れ込むでしょう//
パラグラフ2の重要単語・熟語の説明
次にパラグラフ2で登場した単語と熟語の説明です。
in response to〜:~に対応して
protect:~を守る
be likely to〜:~しそうである
increase:増える
spill:(水)を流し込む
currently:今、現在
パラグラフ2の設問と解答・解説
設問では文意にそって(25)に入れるのに最も適したものを次の1,2,3,4の中から一つ選ぶように要求されています。
1.stop rain from falling (雨が降るのを止める)
2.be as effective in the future (将来(今と)同じくらい効果的である)
3.have caused more flooding (もっと多くの洪水を引き起こした)
4.have damaged the environment(環境に悪影響を与えた)
第③④文に「しかしながら残念なことに、この種の防壁は(25)でないかもしれません。この理由は気候変動のせいで、強大な暴風雨が増えそうだと科学者たちは信じているからです。」とあり、さらに悪化するとされる気候変動のせいで、現在の防壁では将来的には不十分だと文意から示唆しています。
よって正解は2となり”these kinds of barriers may not (be as effective in the future)”「こういった防壁は将来(今ほど)効果的ではないかもしれない」という意味が適切です。
英検2級大問2-B長文の語句空所補充:パラグラフ3
最終パラグラフでは気候変動による海面上昇は必ずしも問題ではなく、逆に色々な問題への解決策となるかもしれないと書かれています。
どんな風にピンチをチャンスに変えるか、興味を持って読み進めていきましょう。
パラグラフ3の英文和訳
まずは英文と和訳の解説です。
- Although this seems like bad news for coastal cities,/some architects believe/
it is a chance to reconsider how water is used.//
これは沿岸部の都市にとって悪いニュースのようであるけれども/建築家の中には信じている人もいる/それは水の使い方を考え直す機会だと// - In fact,/according to Koen Olthuis,/the founder of a Dutch company called Waterstudio,/more water is not necessarily a problem,/but can actually be a solution to many modern problems.//
実際/Koen Olthuisによれば/Waterstudioというオランダの会社の創立者ですが/水量が増すということは必ずしも問題ではなく/実際には多くの現代が抱える問題に対する1つの解決策となるかもしれないのです// - For example,/dams that are built to protect cities from water/can also be used to produce electricity.//
例えば/都市を水から守るために造られるダムは/電気を作り出すのに使うこともできるのです// - (26),/by creating buildings that float on top of water,/the buildings will be able to move/with the rising water levels.//
(26)/水上に浮かぶ建物を造ることによって/その建物は移動することができるでしょう/上昇する水位に合わせて// - In this way,/cities can work with water,/rather than fight against it.//
このように/都市は水を利用することができます/それ(水)と戦うというよりもむしろ//
パラグラフ3の重要単語・熟語の説明
次にパラグラフ3の単語・熟語の解説です。
英文・和訳と照らし合わせてみてください。
coastal:沿岸の
architect(s):建築家
reconsider:再考する、考え直す
founder:創立者
not necessarily〜:必ずしも~ではない(部分否定を表す)
actually:実際は
solution:解決策
produce:生産する
electricity:電気
float:浮く
A rather than B:BよりむしろA
パラグラフ3の設問と解答・解説
設問では文意にそって(26)に入れるのに最も適したものを次の1,2,3,4の中から一つ選ぶように要求されています。
1 At most(せいぜい)
2 In contrast(それとは対照的に)
3 Moreover(さらに)
4 Otherwise(そうでなければ)
第③④文に「例えば、都市を水から守るために造られるダムは電気を作り出すのに使うこともできるのです。(26)、水上に浮かぶ建物を造ることにより、上昇する水位に合わせて、その建物は移動することが可能となるでしょう。」とあります。
水量の増加を問題として見るのではなく、解決策の1つとして見る場合の例が2つ並べられていますので、(26)には追加を意味する言葉が適切ですね。
よって正解は3(さらに)となります。
大問2-B長文の語句空所補充の解説と解答まとめ
空所補充問題は、()の前後の文章を正しく理解することが不可欠です。
しかし()の前後だけで判断するのもオススメできません。
トピックに関してパラグラフが展開されているので、全体の流れをつかみながら、筆者の論点(賛成か反対かなど)も同時に理解することが正解を選ぶ上で大切な作業となります。