英語学習

英語の動名詞の使い方や意味は?【マルチに使える】

本をもって座る女性

英語の「動名詞」って聞いたことありますよね。
I like playing tennis.(わたしはテニスをすることが好きです。)
上記の『playing』が動名詞と呼ばれるものです。
形は『動詞の原形+ing』で、意味は「~すること」となり、文章の色々な要素として使えるとても便利な表現です。

名前の通り、「動名詞」は「動詞」と「名詞」の性質を兼ね備えたマルチなツールです。
ここではそんなマルチな動名詞の使い方・意味を皆さんと学習していきたいと思います。

英語での動名詞の使い方

英語での動名詞の使い方

動名詞は名詞の性質を持っているので、名詞と同じように、主語・補語・動詞の目的語・前置詞の目的語になることができます。
どのように使うかそれぞれ例文とともに見ていきましょう。

  • A)主語として
  • 例文:Exercising every day is good for your health.
    訳:毎日運動をすることは健康に良いです。

  • B)補語として
  • 例文:My favorite pastime is gardening.
    訳:わたしの一番の楽しみはガーデニングです。

  • C)動詞の目的語として
  • 例文:We enjoyed staying in New York this summer.
    訳:わたしたちはこの夏、ニューヨークでの滞在を楽しみました。

  • D)前置詞の目的語として
  • 例文:Wash your hands thoroughly before handling contact lenses.
    訳:コンタクトレンスを扱う前に、手を十分に洗いましょう。

beforeなど前置詞の後ろはいつも「動名詞」と覚えておいてくださいね。
to不定詞(to+動詞の原形)を使うことはできませんので。

  • reading(読書)
  • swimming(水泳)
  • camping(キャンプ)
  • meeting(会議)

上記のように、もともとは動名詞であったものが今では完全に名詞になってしまっているものもたくさんあります。

英語の動名詞の変形バージョン

英語の動名詞の変形バージョン

動名詞は動詞の性質も持っているので、「否定形」「完了形」「受け身形」の意味を表現することができます。
それぞれの作り方を見てみましょう。

動名詞の否定形

動名詞の否定形の作り方は簡単です。
動名詞doingの直前に『not』または『never』を置くだけ。
『not doing~』『never doing~』となり、「~しないこと」と言う意味になります。

例文:I’m thinking about not going to college.
訳:わたしは大学に行かないことを考えています。

例文:Akiko speaks English fluently despite never staying in an English-speaking country.
訳:明子は一度も英語圏の国に滞在しはことがないのにもかかわらず、英語を流暢に話します。

動名詞の受け身形

動名詞doingの受け身形は『being + 動詞の過去分詞』という形になります。
『being done』となり、意味は「~されること」となります。

例文:I hate being treated like a child.
訳:わたしは子供のように扱われることが大嫌いです。

動名詞の完了形

動名詞doingの完了形は『having + 動詞の過去分詞』という形になります。
『having done』となり、意味は「~したこと」と「過去」をあらわします。

例文:I am proud of having been a doctor.
訳:わたしは医師であったことを誇りに思う。(かつて医師であった)

単純な 動名詞『doing』との意味の違いを下の例文を参考に 比較してみてください。

例文:I am proud of being a doctor.
訳:わたしは医師であることを誇りに思う。(現在医師である)

英語の動名詞の意味上の主語

英語の動名詞の意味上の主語

まずは次の2つの例文を比較してみてください。

例文①:I am happy about going abroad to study.
訳:わたしは留学することが楽しみです。

例文②:I am happy about my son (my son’s) going abroad to study.
訳:わたしは息子が留学するのが楽しみです。

例文①は「自分が留学する」場合です。
『I am happy』+ about +『I go abroad to study』ということで、動名詞の意味上の主語と文の主語が一致しています。

例文②文は「息子が留学する」場合です。
この場合は文の意味は『I am happy』+ about +『my son go(es) abroad to study』となります。
このように文の主語と動名詞の意味上の主語が違う場合は動名詞の前に所有格または目的格を使って『my son (my son’s) going』とし『going』の意味上の主語を明示します。

意味上の主語が文頭に来るときは「所有格」のみを用います。
例文:My son’s going abroad to study makes me happy.
訳:息子が留学に行くことはわたしにとって嬉しいことです。

主語の違いをより詳しく解説

さらに深く理解するためにもう少し例文を見てみましょう。

例文①:Do you mind opening the window?
訳:窓を開けてくださいませんか?

例文②:Do you mind my (me) opening the window?
訳:窓を開けてもいいですか?

訳し方の違い、理解できますか?
上の英文は、主語と動名詞の意味上の主語が一致しているので、『opening』の前に『you』または『your』を置く必要はありません。

『mind』は「気にする」「嫌だと思う」という意味なので、訳は「あなたは(あなたが)窓を開けるのを嫌だと思いますか?」から「窓を開けてくださいませんか?」と依頼文になります。

例文②は『opening』の前に意味上の主語『my(me)』が置かれているので、訳は「わたしが窓を開けるのをあなたは嫌だと思いますか?」から「窓を開けてもいいですか?」と許可を請う文になります。
どちらも「はい、いいですよ」という返事なら「嫌だと思いません」という意味なので、『No, not at all. / Certainly not.』となります。
また「いいえ、ダメです」なら「嫌だと思う」という意味ですから、『Yes, I do mind.』と答えます。
答え方に要注意ですね!

また動名詞の意味上の主語が一般の人を指すときや、文意から主語がはっきりしているときは動名詞の前に主語は置きません。

例文:Seeing is believing.(ことわざのため動名詞の主語は一般の人)
訳:百聞は一見にしかず。

例文:My hobby is collecting foreign stamps.(動名詞の主語は文脈から明らか「わたし」)
訳:わたしの趣味は外国の切手を収集することです。

「必要」という意味の動詞に続く場合の動名詞の使い方

「必要」という意味の動詞に続く場合の動名詞の使い方

『物』が主語の場合で、本動詞がneed, require, wantなど「必要とする」という意味の動詞を使う場合は、「need + doing」「require + doing 」「want + doing」という形をとり、受け身の意味をあらわします。

例文:My bike needs repairing.(=need to be repaired)
訳:わたしの自転車は修理する必要がある。

例文:My house wants painting.(=needs to be painted)
わたしの家はペンキを塗る必要がある。

動名詞を動詞の目的語として使う場合の注意点

動名詞を動詞の目的語として使う場合の注意点

『doing』は「~すること」という名詞的な意味を持つことから動詞の目的語としても使えると最初に説明しましたが、どんな動詞にでも使えるというわけではなく、『doing』を目的語にできる動詞は限られています。
以下動名詞だけを目的語にとる動詞を紹介します。

目的語にとる動詞

admit(認める)avoid(避ける)consider(よく考える)deny(否定する)escape(逃れる)excuse(許す)finish(終える)mind(嫌がる)miss(~しそこなう)give up(あきらめる)put off[postpone](延期する)stop(やめる)など
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また動詞の目的語が『doing』と『to do』で意味が変わってしまうものもあるので注意が必要です。
もっと詳しく知りたい方は「to不定詞と動名詞の使い方と違い」を参照してみてください。

本を読む女性
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英語の動名詞の使い方や意味のまとめ

いかがでしたか?
ひとくちに動名詞『doing』と言っても、色々な用法を持っているマルチな存在であることはご理解いただけましたか?

「~すること」という名詞的使い方だけでなく、動詞としての性質を使った「否定」「受け身」「完了」表現はぜひぜひマスターして、ネイティヴっぽい表現をどんどん会話に生かしてくださいね。