英語の動詞である「come」と「go」。
おそらく私たちが一番多く使う動詞ではないでしょうか。
皆さんはこのcomeとgoの意味の違いに気づいたことはありますか?
もちろん基本的な意味はcomeは「来る」、goは「行く」ですよね。
しかし、実は日本語通りに英語に翻訳しても正しい英語とならないことが多いんです。
例えば、”I’m comming.”は「今行きます!」と訳しますよね。
comeなのに「行く」と表現していることに気づきませんか?
今回はそんな「come」と「go」の違いについて紹介します。
目次
「come」と「go」の違いを説明できますか?
自分の今いる場所を基準として考えた場合、comeはその基準の場所に人や物が近づいて来る状態です。
一方goは今いる基準の場所から人や物が離れて行く行為ですよね。
これは自然に理解している概念だと思います。
come:基準に向かって来る動作
go : 基準から離れて行く動作
この根本的な意味の相違が色々な英語表現に現れています。
興味深い例をいくつかご紹介しましょう。
例1:「相手」を基準にするcome
「ご飯よ~!」「今行きま~す!」なんて会話はよく耳にしますね。
英語でこれを翻訳するとどうなるでしょうか?
”Dinner is ready!” “I’m coming.”となりますよね。
しかし、なぜ「行きます」なのに英語ではcomeを使うのでしょうか?
それは相手を基準にした立場から答えているからです。
相手からしたら呼ばれた人は自分の方へ「来る」ことになりますね。
電話で話している相手に向かって「すぐそちらに行くね」というのも
”I’ll be coming over there soon.”となり、相手側を基準にした表現をします。
上記の例で”I’m going.”や”I’ll be going over there soon.”と日本語そのままで訳すと、相手の所ではなくどこか別の所へ行くという意味になってしまいます。
「一緒に行く」はcomeを使うの?goを使うの?
- 例文:I’ll come with you.
訳:あなたと一緒に行きます。 - 例文:I’ll go with you as far as San Francisco.
訳:サンフランシスコまではあなたと一緒に行きます。
(参照元:プログレシブ和英中辞典)
上の①②の例は同じ「行く」でもcomeとgoを使い分けています。
「一緒に行く」という場合、同行することに重点を置いているときはcome、目的地を主として考えているときはgoを用います。
これも「同行」する場合は相手を基準にしたcomeを用い、目的地に焦点をあてた場合は「~へ行く」と会話をしている2人の位置とは全く別の場所・基準に向かって行くのでgoを使っているのですね。
come down と go downの違い
次の例文と訳を見てみましょう。
- 例文:The helicopter came down to the ground.
- 例文:The helicopter went down to the ground.
訳:ヘリコプターは着陸(不時着)した。
訳:ヘリコプターは墜落した。
例文①は地面を基準にして「地面に降りて来る」動作なのでcome downを使い、例文②は飛行中やホバリングしている基準状態から離れて「地面に落ちて行く」ことなのでgo downを使っています。
他の例文も見てみましょう。
- 例文:③My fever came down and I was out of danger for the time being.
- 例文:④My fever went up to 40 degrees last night.
訳:私の熱は下がり、しばらくは危険を脱した。
訳:昨夜は熱が40度出ました。
平熱を基準値として例文③は基準値に向かって「高熱から平熱に下がって来る」のでcome downを使い、例文④は平熱から遠ざかって「熱が上がって行く」のでgo upを使っています。
同じように「平熱からさらに下がって行く」低体温はgo down、「低体温から平熱にもどって来る」のはcome upと原則なります。
しかし実際には「(平熱に向かって)熱が下がる」の場合はcome downもgo downも区別なく使われているようです。
comeとgoを使用した熟語
熟語にも「基準」から離れる場合はgo、「基準」に向かってもどる場合はcomeの原則は現れています。
それぞれgoとcomeを使った熟語を集めてみたので、参考にしてみてください。
- come good:うまくいく
- come to life:活気づく
- come to light:明るみに出る
- come to oneself:意識を取り戻す
- come up to expectation:期待に応える
- come to one’s senses:正気になる
- go bad:腐る
- go wrong:失敗する
- go crazy:気が狂う
- go bankrupt:破産する
- go to extremes:極端に走る
- go to pieces:ばらばらになる
- go out of sight:(視界から)見えなくなる
- go dead:(機器)が故障する
comeとgoの違いまとめ
日頃、無意識に使っているcomeとgoですが、こうして見るとなかなか奥が深いですね。
相手に基準を置く場合、日本語では「行く」でも英語では「come」を使うことがあるという点はご理解いただけたでしょうか。
日本語をそのまま文字どおり英語に翻訳することが正しい英語になるとは限らない点が英語学習者には難しい点のひとつですね。
ひとつひとつ丁寧に事例を集めて、自分のレパートリーにしていくしかないですね。
そこがまた英語学習の楽しさでもあるので、お互い頑張りましょう!